藤木直人 蜷川さんへ熱演誓う「ダメ出し飛んでくるだろうな」 | 「尺には尺を」公開舞台稽古後、インタビューに応える多部未華子と藤木直人
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今月12日に肺炎による多臓器不全のため死去した蜷川幸雄さん(享年80)が演出予定だった舞台「尺には尺を」(25日~6月11日、彩の国さいたま芸術劇場)の公開稽古が24日、同所で行われた。
主演の藤木直人(43)とヒロインの多部未華子(27)が、稽古の合間を縫って会見。蜷川さんは稽古場に顔を見せることができず遺作となってしまい、藤木は「蜷川さんはこの舞台で復帰することを目標にされていたので、必ず帰ってくると思っていた。ちゃんとしたものを見せたかったが、それがかなわず残念です」と悲痛な面持ち。それでも開幕を翌日に控え、「皆で頑張って形にしたものを、蜷川さんに見ていただきたい」と唇をかみしめた。
一方の多部は、「もちろん寂しいですけれど、自然と側にいる気が勝手にしているので大丈夫です」と気丈。初の蜷川作品となった2014年「わたしを離さないで」の千秋楽に、「シェークスピアをやりたい」と蜷川さんに直談判して実現した舞台とあって、「多分、あの時に言わなかったら私は今ここに立っていない。蜷川組とされるキャスト、スタッフの方々に囲まれて明日から頑張っていきます」と決意をにじませた。
4月23日には、キャスト全員で蜷川さんの病室を見舞ったそうだが、藤木は「体調もそれほど良くなくて、声も絞り出すような感じだったので、1人1人が頑張りますということしか伝えられなかった」と悔しそうに述懐。昨年は「海辺のカフカ」で世界ツアーに参加し、「独創的で大胆な演出。日本にとらわれず、世界に新しい解釈を常に発信し続けた方。海外の演劇人にも熱狂的に迎えられ、すごいとあらためて肌で感じることができて良かった」と振り返った。
蜷川さんは稽古の映像を病室で見て、演出補の井上尊晶氏らスタッフと意見を交わすなど、最後まで復帰に意欲を見せていた。多部は「病室によく行っていらしたスタッフの方から、“多部さんは大丈夫だろう”とおっしゃっていたと聞きました」と笑顔。すると、藤木が「ちょっ、ちょっ、ちょっ、待って。なんで多部さんはって強調するの?僕は噂では“藤木のことは心配している”って聞いていたのに…。(蜷川さんが)いたら相当、ダメ出しが飛んでくるんだろうなあ」と苦笑いしていた。
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