ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の名作戯曲を、才気溢れる演出家たちが新たに創り上げるシリーズ「KERA CROSS」。
その第一弾『フローズン・ビーチ』が、演出・鈴木裕美の手で新たな命を吹き込まれ2019年7月に開幕する最中、早くも第二弾が発表された。
KERA CROSS第二弾は、2020年1月~2月公演『グッドバイ』。演出は生瀬勝久、出演に、藤木直人、ソニン、生瀬勝久 他という豪華な顔ぶれでの上演が決定した。
舞台『グッドバイ』は、太宰治(1909年-1948年)が新聞連載を予定し十三回分まで書きながらも、玉川上水で入水自殺を遂げ絶筆となった未完の遺作小説『グッド•バイ』をベースにしつつ、KERAが全く新たなドラマを紡ぎ出した、KERA初のラブコメ作品。2015年KERAの演出で上演、第23回読売演劇大賞 最優秀作品賞、優秀演出家賞(KERA)、最優秀女優賞(小池栄子)を受賞、更に平成27年度芸術選奨 文部科学大臣賞(KERA)を受賞する等、観客の記憶にも演劇史にも残る傑作となった。
『グッドバイ』の主人公・田島周二は、妻子を田舎に残し東京で暮らす雑誌編集者だが、その体裁の裏では闇商売で儲け10人もの愛人を抱える不埒な男。しかしそんな田島もいつしか、妻子を東京に呼び寄せ女たちと別れようと思い始めたそんな折、怪力で大食いの美女・永井キヌ子と出会ったことから珍騒動が展開してゆく……。
「人間失格」や「斜陽」といった太宰のデカダンス作品とはまた異なる、コミカルでシニカルでユーモラスな魅力に溢れ、絶筆によって原作では描かれなかった“その先の物語”に思いを馳せる読者も多いだろう。KERAはそのバトンを継ぎ、誰も予想だにしない新しい世界に観客を誘い、見事に描き切った。
その話題の傑作を、豪華布陣で見られるこの機会は見逃せない。
主役・田島周二には藤木直人。TV、映画で多数主演し、『海辺のカフカ』(2014年)、『尺には尺を』といった蜷川作品を始めとする舞台に出演、音楽活動やバラエティ番組でも多彩な才能を発揮する藤木が、一筋縄では行かない田島という男をどのように演ずるか期待される。
そして怪力で大食いの美女・永井キヌ子には、第41回菊田一夫演劇賞、第26回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞する等、ミュージカル、ストレートプレイ問わず活躍し舞台女優として躍進を続けるソニンがキャスティングされた。
演出の生瀬勝久は、八面六臂の活躍を続ける実力派俳優であると同時に、『橋を渡ったら泣け』(2007年)、『楽屋 ~流れ去るものはやがてなつかしき~』(2009年)の演出を担当するなど、クリエイターとしての顔も持つ。
KERA作品出演の常連であり、作品の魅力を存分に理解している心強い存在。
今作では演出ともに、文士の連行役として出演する。
藤木直人、ソニン、そして演出の生瀬勝久は、今作に向け下記のように意気込みを述べた。
≪藤木直人≫
「初演を客席で観ていました。観客の皆さんが異様なくらい笑っていたのが印象的で僕も人一倍笑っていました。その作品に出演出来るなんて光栄ですし、ハードルが高いなぁと若干プレッシャーでもあります(笑)。大先輩生瀬さんに導いていただいて、さらにはドラマ『高校教師』以来の共演となるソニンさんと新しい『グッドバイ』を作り上げたいと思います」
≪ソニン≫
「名作『グッドバイ』にキヌ子役で出演できる事、役者デビューの作品で共演して以来の藤木直人さんとの再共演、 KERA CROSSで生瀬勝久さんの演出の元で芝居できる事。全てが贅沢で憧憬の塊のような機会に、今から夢見心地です。
3年ぶりのストレート芝居で大変興奮しております。新しい形でのこの作品の魅力をお届けできるよう、精一杯皆様と作っていきたいです」
≪生瀬勝久≫
「2015年、初演の『グッドバイ』を観たあと、KERAさんと、小池栄子さん、緒川たまきさんと食事をし、本年度僕が観た作品の中で、ダントツ1番であると口角泡を飛ばして熱弁したことを懐かしく思い出します。その作品を、まさか5年後に自分が演出出来るとは…こんな機会を与えて頂き感謝、感謝。因みに、私の平均年間演劇観賞本数は3本から5本です」
KERA CROSS第二弾『グッドバイ』は、2020年1月、かめありリリオホールを皮切りに、2 月にシアタークリエ他、全国各地で公演する。
更に、KERAファンには嬉しい情報だが、「KERA CROSS」シリーズの第五弾までの全ラインナップの演出家も発表された。
第二弾の生瀬勝久に続き、第三弾・河原雅彦、第四弾・三浦直之(ロロ)という、演劇界注目の錚々たる顔ぶれが続く。そして、第五弾では、満を持して、ケラリーノ・サンドロヴィッチ本人が演出を担当する。
「KERA CROSS」演出家全ラインナップ発表に際し、KERAは以下のメッセージを寄せた。
「画期的な企画シリーズを毎回無責任に客席で拝見するという愉しみが人生に加わった。東宝さんキューブさんありがとさん。お礼に5本目は自ら過去の自作と対峙するです。ぜひお客さんもコンプリートして頂きたい」 (第一報 仮チラシコメントより)
現在公演中の『フローズン・ビーチ』を含め、第五弾までの充実のラインナップ、是非コンプリートしたいところだ。それぞれの公演の作品、キャスト発表も待ち遠しい。
詳細は「KERA CROSS」オフィシャルサイト(https://www.keracross.com)で順次公開予定。
日程・会場:
2020/1/11(土)~1/13(月・祝) 東京・かめありリリオホール
2020/2/4(火)〜1/16日(日) 東京・シアタークリエ
ほか、各地公演あり
原作:太宰 治(「グッド・バイ」)
脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:生瀬勝久
出演:
藤木直人 ソニン 生瀬勝久 他
消息来源:https://engekisengen.com/genre/play/16609/
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の名作戯曲を、才気溢れる演出家たちが新たに創り上げるシリーズ・KERA CROSS。第一弾『フローズン・ビーチ』(鈴木裕美演出)に続き、第二弾の『グッドバイ』が2020年1月〜2月に上演される。
本作は、太宰治の未完の遺作小説「グッドバイ」をベースに、KERAが全く新たなドラマとして書いた作品で、2015年にKERA自身の演出で上演、第23回読売演劇大賞において最優秀作品賞、およびKERAが優秀演出家賞、小池栄子が最優秀女優賞を受賞、さらに平成27年度芸術選奨においてKERAが文部科学大臣賞を受賞するなど、高い評価を受けた。
今回、この作品の演出に挑むのは、初演に深く感銘を受けたという生瀬勝久。2009年に上演された『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~』以来の舞台演出となる。そして、妻子がありながら愛人が10人もいるという不埒な男・主人公の田島周二には、映像のみならず、蜷川幸雄演出作品など舞台でもその存在感を示している藤木直人。そんな二人がどのような思いで今作に挑むのか、話を聞いた。
初演を見ていたときはまさか自分がやるとは想像もしなかったーー今作で生瀬さんは演出と出演、藤木さんは主演されますが、今の心境を教えてください。
生瀬:僕はこれまで、KERAさんの作品に出演しているし、観客としてもたくさん見てきました。その中でも一番印象深くて好きだったのが、この『グッドバイ』だったんです。今回、演出のお話しをいただいたとき、実は最初は別の作品でオファーが来ていました。でも、「もし作品を選べるのであれば『グッドバイ』をやりたい」と希望を出してみたら、OKをもらえて。この作品は、初演を見に行ったときにあまりにも興奮して、終演後にKERAさんと(小池)栄子ちゃんと(緒川)たまきちゃんと4人で食事に行って、そこで感想を延々と熱く語って。「これは絶対に再演してくださいよ」なんて言っていたら、まさか自分が演出することになるとは思っていませんでした。最初は演出だけ、という話でしたが、「出演もできる?」と後から聞かれて、「出演します」とお返事しました。
ーー演出と出演、両方をやることはご自身にとって負担にはならないのでしょうか。
生瀬:好きだからね、お芝居が。だから全然です。昔劇団をやっていたときに、作・演出・出演というケースもありましたし、あまりストレスは感じないです。自分が出ていた方が舞台上のリズムをコントロールできるというか、自分がタクトを振れる感じもあるので、出演していた方がやりやすい部分もあるんですよ。
ーー藤木さんは主人公の田島役でのご出演です。
藤木:2014年に『海辺のカフカ』に出演してから、2017年の音楽劇『魔都夜曲』まで連続して舞台に出演していたのですが、その後はちょっと舞台から遠ざかっていて。離れてしまうと舞台に立つのが怖くなるところもありますから、そろそろ舞台をやりたいな、と思っていました。この作品は僕も初演を見ているのですが、太宰治が原作ということで「どれだけ重たい作品なんだろう」と思いながら行ったら、舞台でこんなに笑いが起きるんだ、と驚いたくらいで。客席がすごく笑っていましたね。中でもキヌ子のキャラが凄まじくて、それを小池さんが見事に怪演されていたのが強く印象に残っています。他の出演者の皆さんも実力のある方々でしたから、台本以外にも個人のパワーで笑いを取る場面が沢山あって、本当に笑いの絶えない作品でした。ですから今回のお話しをいただいたときは、ぜひとも参加したいと思いました。
生瀬:でも、初演の舞台を見ていたときは「まさか自分が」だよね。
藤木:いやもう、自分が出演するなんて想像すらしていないです。僕は舞台を見ながら「この役やりたい」とか「どうやって演じてみたい」なんて思ったことがなくて、純粋に「ああ面白い作品だな」って楽しんでいるので。
「死ぬときに『あぁ、楽しかった』と言って死にたい」(生瀬)ーー生瀬さんと藤木さんは、2008年に藤木さんにとって初舞台となった『冬の絵空』で共演されていますが、そのときの印象はいかがでしたか。
生瀬:『冬の絵空』のとき、演出はスズカツさん(鈴木勝秀)だったから、僕から藤木くんに直接何かアドバイスしたり、ということはありませんでしたが、思うところはあったんです。だから、今回は僕が演出ということで、藤木くんのいいところを引き出したいというか、彼にやってほしいことがあるんですよ。彼もいい年になってきたので、今回、ここでもう一つステップアップするいい機会になって欲しいと思っています。
ーー生瀬さんは最近、映像でご活躍を目にすることが非常に多いですが、今年に入られてから舞台のお仕事はされていませんね。
生瀬:僕はお芝居を始めて三十数年経ちますが、今年は一本も舞台の仕事がなかったんです。それは舞台を休もうと思ったとかではなくて、たまたまなんですが、だからこそ、舞台に対しての思いというか、やりたいことがすごく溜まってるんです。それで来年に向けてワークショップをやってみたり、いろいろと準備をしているので、今作がとっても楽しみなんですよね。
ーー生瀬さんが初演をご覧になったときに『グッドバイ』に強く心を魅かれたのは、具体的にどういうところだったのでしょうか。
生瀬:ハッピーエンドだったからですね。僕は死ぬときに、それがたとえどんな死に方でも「あぁ、楽しかった」と言って死にたい、そういう生き方をしたい、と思っています。例えば病気でも、最後は苦しいけど振り返ってみると楽しかったね、という気持ちで最後を締めくくりたいです。
ーー藤木さんは田島という役については、どう思われますか。
藤木:現代ではなかなか成り立たないですよね、コンプライアンス的に。
生瀬:いや、こういう人いるよ、絶対いる。しかも幸せだと思うよ。
藤木:え?幸せですか?あれだけ大勢いてすべて対等に愛してあげるというのは難しい気がしますけど……。
生瀬:難しいし体力もいるし、だけど全員が好きなんだよね。ひとりひとりに真剣になって、この人が好き、というときは他の人のことを忘れてるんですよ。彼の言うことは、全部本心だから。僕も昔、あなたのこと好き、って言っておきながら電車に乗ったらもう忘れちゃって、なんてことしてたな。だから田島には共感できますよ(笑)。
藤木:田島の役作りについては、生瀬さんに全面的に指導していただきます(笑)。
「演劇は個人技じゃなくて、関係性」(生瀬)ーー初演がKERAさんの演出でしたから、今回は生瀬さんがどのような演出をされるのか、非常に興味深いです。
生瀬:演劇は個人技じゃなくて、関係性で成り立っているものですから、そのカンパニーの中でどういうものを創るかが重要になってきます。アイディアはいくつかありますが、稽古が始まる前の現段階で描いている理想みたいなものは特にないんですよ。台本はKERAさんが書いた面白いものが既にありますから、セリフを信じて、そのセリフの思いでやってもらえればいいんです。面白いことをやってやろう、ではなくて、台本に書いてあるように、登場人物が真剣に困っている姿を見せることができれば面白くなります。本人は周囲が見えていなくて、本気で苦しんで、本気で愛しているから、観客に「この人馬鹿だな」と思わせることができて面白いんです。
ーー先ほど、藤木さんのステップアップの機会になれたら、というお話しをされていましたが、具体的に藤木さんのどういった面を引き出したいとお考えでしょうか。
生瀬:藤木くんはビジュアル的にとってもスマートだし、彼が困る役って今までそんなになかったと思うので、「藤木くんってこういう役もとってもキュートだね」「藤木くんの田島は抜群だよね」と思ってもらえるように持っていきたいと思っています。もうそこは演出家の責任ですから、信じて疑わずにやっていただきたいですね。
藤木:生瀬さんの演出を受けるのは本当に楽しみです。ドラマの現場だと、スタッフさんは僕よりも若い人が多くて、だからお芝居に対して何か言われることもあまりなくて。もちろん自分なりに役について考えたりしていますが、自分の考えとは違うベクトルが存在するんだ、というのを生瀬さんが教えてくださるのは心強いですし、役者として演技の引き出しが増えるのであればそんなに素晴らしい経験はないと思っています。
生瀬:やっぱり役者さんだから、自分で役のベースを考えてくると思うんですけど、それを崩すのが多分演出家としての僕の仕事だと思います。僕の場合はスタンダードを崩すのが自分のやり方でもあるので、違うアプローチの可能性を探りたいなという思いがあります。正直、僕自身もどうなるのかわからないですよ。このキャストですし。
藤木:すごくいろんなジャンルの方が集まっていますよね。
生瀬:キャスティングはもう百点満点ですね。まず、ソニンさん。会ったことないです(笑)。じゃあなぜキャスティングしたのかというと、いろんな方のソニンさんのイメージと評価を総合したら、いける、と。会ったことないのはソニンさんだけで、あとはみなさん、オーディションやコネクションです(笑)。
藤木:僕は初めての人ばかりです。
生瀬:僕好みのキャスティングで、みんなそれぞれにいいですよ。能條さんはオーディションだったのですが、会って「この人だ」って思うくらいすごかったです。MIOとYAEは「タンスにゴン」のCMを見て、絶対に共演したい!と思ったんです。
「太宰さん、KERAさん、生瀬さん。こんなに豪華なリレーはない」(藤木)ーー今作はKERA CROSSの第二弾ですが、KERA CROSSという企画についてはどのように思われていますか。
生瀬:KERAさんの懐が深いんだな、と思います。自分が書いたものを人に渡すというのは、なかなかの度胸が必要というか、不安もあると思います。その辺KERAさんがどういう思いで「やっていいよ」と言ったのか、聞いてみたいですね。まあでも「自分よりは面白くできないだろうな」という自信がどこかにあるんじゃないですかね? 僕だったら、自分の作品を他の人が演出するのを見るのは嫌ですもん。KERAさんが今作を見に来たときに「やっぱり俺がやった初演の方が面白かったな」って思うのか、泣いて帰るのか、どう思うかですよね。僕は演出家としてKERAさんの足元にも及びませんけど……泣いて帰ればいいのに(笑)。
藤木:そういうふうに思うものなんですか?やっぱり演出をしていると、舞台の見方が変わってくるんですかね。
生瀬:それはあるね。ドラマでもなんでも、お芝居を素直に見られなくなってきていて、ストーリーを単体で見て、役者も単体で見るから、総合の作品としては見られない。
藤木:細分化して見ちゃうんですね。
生瀬:でも今は、本当にワクワク感しかないです。早く稽古初日を迎えていろんなことが具体的になっていけばいいのにな、と思っています。僕はあまり段取りを決めないので、フレキシブルにいろんなものが変わっていけばいいと思うし、良いアイディアがあればそれを採用、みたいな作り方になるでしょうね。
ーー稽古が始まらないことには、具体的なことはまだわからないですね。
生瀬:わからない。なにしろ、ソニンさんにもまだ会ってないからね。会ってみて、ものすごくお互い合わなかったらどうしよう(笑)。
ーーでは、公演に向けてのメッセージをお願いします。
藤木:太宰治さんから始まって、KERAさんが後に書いたものを、生瀬さんが演出する、こんな豪華なリレーはないと思いますし、単純に楽しめる、笑える作品なので、令和になって初めて迎える新年の笑い初めにぜひ『グッドバイ』を選んで欲しいと思います。
生瀬:観た次の日に元気になりますよ、という、それが僕のお芝居をやる原動力なので、そういう舞台を作りたいと思っています。元気になりたい方はぜひ劇場に足をお運びください。
取材・文=久田絢子 撮影=敷地沙織
消息来源:https://spice.eplus.jp/articles/255113
图片汇总:https://weibo.com/1825306004/Ic32DakFT?type=like&pcfrom=msgbox#_rnd1571563883661
2015年、劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、太宰治の未完の遺作小説をベースにまったく新たなドラマを紡ぎ出し、数々の演劇賞を受賞した舞台『グッドバイ』。その『グッドバイ』が、2020年1月〜2月に“KERA CROSS第二弾”として、生瀬勝久が演出、藤木直人、ソニンをはじめとした個性溢れる俳優陣が出演することで早くも話題に。そして全キャストのビジュアルと配役が公開された。
「KERA CROSS」は、話題の新作を精力的に作り続けるKERAの、過去の名作戯曲を、KERA以外の才気溢れる演出家たちの手で新たに創り上げるシリーズ。
その第二弾の『グッドバイ』では、俳優としても活躍中の生瀬勝久が10年ぶりに演出を担う。
更に、第三弾に河原雅彦、第四弾に三浦直之(ロロ)といった、気鋭の演出家の参加が発表されており、第五弾として、KERA自身が、自らの過去作品に挑むことも発表されている。
『グッドバイ』はKERA初のラブコメ作品であり、「人間失格」や「斜陽」といった太宰のデカダンス作品とはまた異なるコミカルでシニカルでユーモラスな魅力に溢れた作品。KERAは太宰の絶筆のバトンを引き継ぎ、生き生きと魅力的な登場人物たちのキャラクターを描き切った。
雑誌編集者をしながら、多くの愛人を抱える不埒な男・田島周二が、東京に妻子を呼び寄せ、女たちと別れようと思い始める。そんな時に、怪力で大食いの美女・永井キヌ子と出会ったことから、珍騒動が展開してゆく物語。
藤木が田島を演じ、キヌ子をソニン、小説家の連行を生瀬が演じることはすでに公開されているが、その他の全ての配役も発表され、このキャストが生瀬勝久演出の下、どのような化学反応を起こすのか期待感が高まる。舞台『グッドバイ』に初めて触れる観客も、KERA演出バージョンを見ている観客も、それぞれ楽しめる内容となっているに相違ない。
公演、チケット発売の詳細等はコチラ→( https://www.keracross.com )
【KERA CROSS 第2弾 KERA×生瀬勝久「グッドバイ」公演概要】
原作:太宰 治(「グッド・バイ」)
脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:生瀬勝久
出演:
藤木 直人 : 田島周二 役(文芸誌「オベリスク」編集長)
ソニン : 永井キヌ子 役(闇市のかつぎ屋)
真飛聖: 田島静江 役(田島周二の妻)
朴璐美: 大櫛加代 役(内科医、田島の愛人)
長井短 : 水原ケイ子 役(挿絵画家、田島の愛人)
能條愛未 : 青木保子 役(美容師、田島の愛人)
田中真琴 : 草壁よし 役(百姓の娘、田島の愛人)
MIO : 田島幸子 役 (田島周二の娘)
YAE : 田島幸子 役 (田島周二の娘)
入野自由: 清川 役 (文芸誌「オベリスク」編集部員)
小松和重: 水原健一 役 (水原ケイ子の兄)
生瀬 勝久 : 連行 役(小説家)
演奏:杉田のぞみ(Vn.)
全日程(2020年)
【東京】1月11日(土)~13日(月・祝) かめありリリオホール
2 月4日 (火)〜16日(日)シアタークリエ
【山形】1月16日(木) 山形市民会館
【新潟】1月18日(土) 長岡市立劇場
【広島】1月21日(火) JMSアステールプラザ 大ホール
【大阪】1月23日(木)〜26日(日)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【香川】1月28日(火) レクザムホール(香川県県民ホール)小ホール
【愛知】1月30日(木)〜31日(金)日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【福島】2月2日(日) パルセいいざか
【ストーリー】
田島周二は、妻子を田舎に残し東京で暮らす雑誌編集者だが、その体裁の裏では闇商売で儲け10人もの愛人を抱える不埒な男。しかしそんな田島もいつしか、妻子を東京に呼び寄せ女たちと別れようと思い始めたそんな折、怪力で大食いの美女・永井キヌ子と出会ったことから珍騒動が展開してゆく……。
【KERA CROSSとは】
ケラリーノ・サンドロヴィッチの数々の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいに創りあげる連続上演シリーズ。
第一弾 KERA ×鈴木裕美『フローズン•ビーチ』 (※2019年 終了)
第二弾 KERA ×生瀬勝久『グッドバイ』
第三弾 KERA ×河原雅彦
第四弾 KERA ×三浦直之(ロロ)
第五弾 KERA ×ケラリーノ・サンドロヴィッチ
(作 × 演出 の順に掲載)
企画・製作=東宝 キューブ
●詳細 KERA CROSS オフィシャルサイト https://www.keracross.com
消息来源:https://theatertainment.jp/japanese-play/42483/
人が年齢を重ねる時、“成熟した”という言葉が濫用されるが、実際はどういうことなのだろうか。その具体的な答えが、彼の中にはあるような気がした。
デビューしたのは、まだ“イケメン”という言葉も生まれていなかった時代。90年代半ばのことだ。この浮き沈みの激しい世界で、彼は着実に俳優としての力をつけ、現在は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)さんが脚本を手がけ、生瀬勝久さんが演出する舞台『グッドバイ』で主演を務めている。今回は、その舞台にまつわるインタビュー。決して現状に満足しようとしない彼の発言の中には、人間が成熟するために必要な幾つものヒントがあった。
Inteview&Text/ YOKO KIKUCHI Photo/AYA KISHIMOTO
2月4日、全国公演の最終地、東京シアタークリエでの公演が初日を迎える、藤木さんが現在出演中の舞台『グッドバイ』は、KERAさんのこれまでの作品を、いろんな演出家が演出する「KERA CROSS」という企画の第2弾。今回、演出を担当する生瀬勝久さんは、2015年にKERAの作・演出で上演された本作を観ていたく気に入り、自ら、「これをやらせてほしい」と申し出、自らキャスティングにもこだわり、藤木さんをはじめとする今回のカンパニーを創ったそうだ。
欢迎光临 NF学院—藤木直人中国后援会 (http://fujiki-naohito.com/) | Powered by Discuz! 7.2 |